米財務省の外国資産管理局(OFAC)は7日、イラン政権を支援していたとされる仮想通貨取引所シェルビットと、イランを拠点とする仮想通貨取引所アバンテザー、シェルビット創設者のシアバシュ・カイヴァンプール氏を新たに制裁対象に加えたと発表した。イスラム革命防衛隊(IRGC)への資金供与や制裁回避への関与が理由とされている。
OFACによると、IRGC関連のデジタル資産アドレスから100万ドル超相当の仮想通貨がシェルビットのアドレスへ送金され、逆にシェルビットから200万ドル超相当の仮想通貨がIRGC関連アドレスへ送られていたという。また、カイヴァンプール氏が管理するアドレスから、米国が既に制裁対象としているイラン最大の仮想通貨取引所ノビテックスへも200万ドル超相当が送金されていたことも判明した。
シェルビットは、複数のイラン系インフルエンサーが運営するペルシャ語圏向けの大規模なオンラインギャンブルサイト網の資金洗浄に利用されていたとされ、数千万ドル規模の資産がこの取引所を経由していたという。
両インフルエンサーは2023年にイラン国内で違法賭博の罪で有罪判決を受けているものの、賭博サイトは現在もイランの決済システムへのアクセスを維持していると財務省は指摘した。
アバンテザーについては、ノビテックスやワレックス、ビットピン、ラムジネックスなど既に制裁対象となっているイラン国内取引所との取引を大量に処理していたことが制裁理由とされた。「イラン政権によるデジタル資産やシャドーバンキング網への依存は、対イラン経済圧力政策『エコノミック・フューリー』が機能していることを示している」と、米財務省のスコット・ベッセント長官は述べた。
米財務省がイラン関連の仮想通貨取引所を制裁するのは今回が初めてではなく、対イラン最大限の圧力政策を定めた国家安全保障大統領覚書2号に基づく制裁の一環だという。
同省は米内国歳入庁犯罪捜査部門と連携して今回の措置を進めたとしており、米国務省の司法プログラム「リワード・フォー・ジャスティス」もIRGCの資金網解体に繋がる情報提供者に最大1500万ドルの報奨金を用意していると発表した。
また、7月29日にも、ホルムズ海峡を航行する船舶に保険加入を強要していたとされる「恐喝スキーム」に関与した企業を制裁対象に加えている。海上保険を提供していたペルシャン・ガルフ・マリン・インシュアランスとホルムズセーフは、IRGCの承認を得て保険を仲介・販売していたとされ、ホルムズセーフはイラン経済省が設立したデジタル保険会社として、制裁回避のための決済手段にビットコイン( BTC )などの仮想通貨を利用していたと財務省は説明していた。
財務省は、資金洗浄や制裁回避に関与する仮想通貨取引所や関係者への制裁を今後も強化していく方針だ。