コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は5月6日、Xへの投稿で、カリブ海沿岸都市のバランキージャ、サンタマルタ、リオアチャでビットコイン( BTC )採掘施設を誘致する構想を明らかにした。同大統領はパラグアイとベネズエラを再生可能エネルギーを活用した採掘投資の成功例として挙げ、「カリブ海開発への計り知れない推進力になる」と述べた。
ペトロ大統領の発言はルクソール・テクノロジーのアレッサンドロ・セセレ氏によるパラグアイの採掘産業に関する報告への返信という形で行われた。セセレ氏の報告によれば、パラグアイは水力発電ダムのイタイプで生産される余剰電力を活用し、人口700万人の国でありながらグローバルハッシュレートの4.3%を占める世界第4位の採掘国に成長した。
コロンビアは今年4月の世界銀行報告書によれば発電量の75%を再生可能エネルギーから得ており、グリッド運営者XMのデータによると2025年末時点で再生可能エネルギー設備容量21,286.9メガワットを保有している。カリブ海沿岸地域のラ・グアヒラ州には未開発の風力資源が豊富に存在し、2026年までに6ギガワットへの拡大を目指している。
ペトロ大統領はカリブ海沿岸に居住する最大の先住民族ワユー族を採掘プロジェクトの共同所有者とすることも提案した。この提案は経済利益を地域住民に公平に配分する仕組みを示唆しており、化石燃料による採掘が気候変動を悪化させるという大統領の従来の主張とも整合性を持つ。
一方で業界専門家は、エネルギー資源だけでは採掘産業の成立要件を満たさないと指摘する。アルゼンチンはパラグアイと同等のエネルギー資産を持ちながら、マクロ経済の不安定性によりハッシュレートが前年比42%減少した。
セセレ氏の報告では、パラグアイの電力料金は5年前のキロワット時0.03ドルから現在0.051ドルに上昇しており、送電網損失率8%と3カ月分の電気代相当の保証金が参入障壁となっている。コロンビアで採掘産業を成立させるには、規制の明確化、送電インフラの整備、投資家の信頼獲得が不可欠だ。
ペトロ大統領の任期は今年8月に終了予定で、構想を推進する時間は限られている。予測市場カルシのデータによれば、5月31日の大統領選挙では左派のイバン・セペダ上院議員と保守派の弁護士アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャが有力候補とされているが、両候補ともビットコインやデジタル資産に関する明確な公式見解を示していない。
ラテンアメリカ各国が再生可能エネルギー資源をビットコイン採掘によって収益化する競争に参入する中、コロンビアの構想実現は次期政権の政策方針に左右される。


