米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長は6日、仮想通貨プロジェクトが証券登録なしで即時事業を立ち上げられる「セーフハーバー案」の進捗を明らかにした。同提案はすでにホワイトハウス行政管理予算局の機関である情報・規制問題室(OIRA)へ提出されており、公開に向けた最終の確認段階に入っている。
アトキンス氏はヴァンダービルト大学とブロックチェーン協会が主催したデジタル資産サミットに登壇し、新たなルール提案の提示が間近に迫っていると明かした。これらのセーフハーバー案には投資家保護を確保しつつ、事業者が定められた情報開示を行うことで4年間の猶予期間中に資金調達を行える「スタートアップ免除」が含まれている。
さらに同氏は、新たな枠組みが今年3月にSECなどが制定した分類基準と連動する「投資契約のセーフハーバー」として機能する内容になると強調。このトークン分類指針は、特定のデジタル資産がどのような条件下で証券法の適用対象となるかについて業界に明確な境界線を示した歴史的な文書の一つである。
議会も業界を包括的に監督する法案の成立に向けた取り組みを継続させており、過去1年間で複数の法案が議論の俎上に載せられてきた。アトキンス氏はSECの規則制定権限だけで多くの対応が可能であると語る一方で、政権交代の影響を受けない恒久的な制度として、議会による法律規定も必要不可欠であると指摘している。
これらとは別にSECは現在、オンチェーン資産に関わる事業に向けた一種の規制サンドボックスとして機能する「イノベーション免除」の規定策定も進めている。アトキンス氏はSECが独自に免除規定を設ける法的な権限を十分に有していると明言し、革新領域での政策推進に自信と強い期待感を示した。
広範な要件免除の導入については、厳格な投資家保護や市場の監視体制を損なうとして伝統的金融関連企業を中心とする一部の有識者から懸念の声も挙がっている。しかし前任のゲーリー・ゲンスラー元体制下で頻発した強硬な執行措置からの明確な方針転換として、多くの市場参加者は規制当局の新たな方針を支持している。