今週(2026.4.18-4.22)の暗号資産市場は、 ビットコイン(BTC)が75,000ドルを上回る水準で堅調に推移 しました。75,300ドル近辺で横ばい整理を続け、週を通して大きな下落は見られず、市場の底堅さが際立った1週間となりました。
恐怖・強欲指数も中性ゾーンまで回復。今週も DeFiでのハックが続いた (KelpDAOに続き、22日にSui上のVolo Protocolで約350万ドルのエクスプロイトが発生)にもかかわらず、パニック売りはほとんど起きませんでした。むしろ大手機関投資家が集中して大口の買い増しを行っており、今後に対する強い自信を示しているように伺えます。
地政学リスクやハッキング等の悪いニュースが重なる中でも、市場は意外とタフな姿勢を保っているように見受けられます。
今週の注目ニュース3選
1. 香港SFCがトークン化投資商品の二次市場取引を正式容認
香港証券先物事務監察委員会(SFC)が新たな規制枠組みを発表。「トークン化された投資商品」の二次市場取引を解禁しました。「同じリスクには同じ規制を適用する」という原則を徹底し、取引サービスはSFC、独立型カストディ業務は香港金融管理局(HKMA)の「二重ライセンス制」に移行します。
これにより顧客資産の保護とマネーロンダリング対策が強化され、香港は中東などへのトークン化ファンド展開のハブとして、さらに存在感を高めそうです。
2. NYSEがトークン化証券取引のルール提案を提出
ニューヨーク証券取引所(NYSE)が、ブロックチェーン上での株式・ETF取引を正式にサポートする規則変更を申請しました。伝統金融と暗号資産の融合が本格化しています。フランスや英国もユーロ建てステーブルコインやトークン化預金を推進しており、世界的に「トークン化」の動きが加速しています。
3. Bitmineが過去最高レベルのETH買い増し
Bitmineが先週だけで 101,627 ETH (2025年12月以来最高記録)を買い増し、現在までに合計約339万ETH(約68%)をステーキング中。一方、MicroStrategyも 34,164 BTC (2024年11月以来最高記録)を追加購入しました。機関投資家の長期保有スタンスが伝わり、長期的な保有を前提とした動きと推察されます。
Sui上のVolo Protocolで約350万ドルエクスプロイト
今週最大のネガティブイベントは、 Suiネットワーク上のBTCFi・Liquid Stakingプロトコル「Volo Protocol」が受けたエクスプロイト です。攻撃者は3つの特定Vault(WBTC、XAUm、USDC)を狙い、約350万ドル相当の資産を流出させました。
ただし、Voloチームの対応は非常に迅速でした。
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攻撃を確認後、即座に全Vaultを凍結
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Sui Foundationやエコシステムパートナーと連携
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すでに約50万ドルを凍結し、追加で19.6 WBTCのブリッジもブロック
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残りの約2,800万ドルのTVLは安全と確認
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チームは 「ユーザーに損失を負担させない」方針で全額補填する と明言
KelpDAOハックからわずか数日での連続事件となりましたが、 市場全体への影響は発生していないように感じます 。BTC・ETHはほとんど動じず、むしろ機関の大口買いが増加。この「ハック発生→即対応→チーム補填→市場冷静」という流れは、2026年のDeFiが以前より成熟してきていることを示しています。
しかし、DeFiにおける巨額のエクスプロイトが続いていることもあり、DeFiで運用すること自体への疑問を呈す声が増えてきているように感じます。
将来的な見通し
短期
BTCは75,300ドル近辺で横ばいを続けています。上値の目安は78,000ドルと81,500ドル、下値の目安は73,000ドルと71,200ドルです。米イラン情勢やFed理事の発言など外部要因が残るため、一時的な調整や価格の揺さぶりは警戒する必要がありますが、大手機関の買い増しが続いている限り、急落リスクを抑制する原因となる可能性がありますが、予期せぬ外部要因による価格変動には十分な注意が必要です。
中期
最大の注目点は依然として 米国CLARITY法案 の行方です。Polymarketでの年内通過確率は約50%と拮抗していますが、7月頃の米国上院の審議で可決されれば、伝統的な機関資金の本格的な流入ルートが開ける可能性があります。香港やNYSEのトークン化規制整備と合わせ、RWA(実物資産のトークン化)やAI Agent関連の動きがさらに活発化すると予想されます。
Coinbase Venturesが挙げた「トークン化・次世代DeFi・AI Agent」という2026年の主要投資テーマも、引き続き意識すべきポイントだと感じます。
まとめ
今週は「DeFiでハックがあっても市場が冷静」という点を改めて示した週となりました。
22日に発生したVolo Protocolの350万ドルエクスプロイトというネガティブ材料があったにもかかわらず、BTCは75,000ドル台をしっかりと維持。大手機関(Strategy、Bitmineなど)の史上最高レベルの買い増しが続き、香港・NYSEの規制整備も着実に進んでいます。
今までは一つの良いニュースで市場が熱狂し、一つの悪いニュースで市場全体が落ち込むなど、ニュースの影響が即座に反映されるほどに大きかったように感じます。今回DeFiにおけるハッキングが連続して発生していますが、ビットコインの価格にネガティブな影響は発生していないように見受けられます。
これは市場がマクロ環境や個別事象に対して、以前とは異なる反応を見せているとの見方もあります。
*本レポートは投資勧誘を目的としたものではありません。暗号資産取引には価格変動リスク等が伴います。取引はご自身の判断と責任でお願いいたします。

