日本円ステーブルコインの発行・運営を手掛けるJPYC株式会社は4月20日、シリーズBラウンドのセカンドクローズにおいて28億円の資金調達を完了した。
本ラウンドには、メタプラネット、SUMISEI INNOVATION FUND(住友生命)、i-nest capital、NTVP、北洋銀行、横浜キャピタル、NCBベンチャーキャピタル、テクミラHD、キャナルベンチャーズなどが参加している。ファーストクローズ分を含めた累計調達額は約46億円に達し、社会実装に向けた基盤強化を加速させる方針である。
今回の調達資金は、発行残高の急拡大に耐えうる金融機関水準のシステム構築や、M2M(Machine to Machine)決済を想定した開発環境の提供に重点的に投資される。
同社は、AIエージェントが自律的に価値を交換する時代のネイティブ通貨としてJPYCを位置づけ、事業開発や法務コンプライアンス分野での専門人材の採用も大幅に強化する予定である。
今回の発表によると、JPYCの事業状況は好調であり、2026年4月時点での累計発行額は21億円を突破し、直近3ヶ月で2.6倍という驚異的な成長を記録している。
特に、実際の利用アドレス数が直接アカウント数の約8倍に相当する13万7,000件を超えている点は、同社のアカウントを介さないパブリックチェーン上での自律的な流通(発行元を介さない直接流通)が拡大していることを示唆している。
同社はこれまで、2021年のシリーズAラウンドでの約5億円の調達を皮切りに、着実に資本基盤を拡大してきた経緯がある。2025年8月の資金移動業登録以降は「社会実装フェーズ」へと移行しており、ソニー銀行との提携やLINE NEXTの次世代ウォレット「Unifi」での採用など、大手金融・IT企業とのネットワーク構築を急ピッチで進めている。
エコシステムの拡大も進んでおり、現在はイーサリアムやポリゴン、アバランチの3チェーンに対応し、今後はKaiaやArcへの展開も検討中である。
また、インバウンド市場を狙った次世代免税還付モデルの構築や、エルサルバドルでの実店舗決済が確認されるなど、国境を越えた実需に基づくユースケースが次々と創出されているという。